外食チェーン「串カツ田中」でスタッフに無断でスタッフルームに監視カメラを設置し盗撮するという前代未聞の不祥事が起きた。
串カツ田中ホールディングスは12月21日、フランチャイズ加盟店4店舗において盗撮問題が発生したと発表。
盗撮って・・。防犯のため？でも無断は良くない。「防犯カメラ撮影中」など良く張り紙が貼ってあるがそれくらいの配慮は欲しい。
最近街中でも監視カメラが普通にある。でもあれって警備、防犯のためだからいちいち断って撮ってる訳ではない。
じゃあ今回のもいい？それとも防犯のためとしても無断の盗撮は犯罪？
盗撮をしたのはFC加盟店、加盟店を即時解約
今回盗撮したのはフランチャイズ加盟店H&Aが運営する「串カツ田中 新横浜店」「串カツ田中 希望ヶ丘店」「串カツ田中 上大岡店」「串カツ田中 菊名店」
H&Aは盗難防止のためスタッフルームに監視カメラを設置。
ただ従業員に知らせていなかったことから、串カツ田中本部側は盗撮にあたると判断し22日から営業停止、フランチャイズ契約を解約した。
発覚したのはブログ投稿から
12月14日に盗撮問題を指摘するブログの存在を問い合わせフォームからの連絡で知り、監視カメラの設置が発覚した。
同日中にカメラ撤去を本部から依頼し15日にカメラは撤去されたが加盟店からの聞き取りで事実関係を確認した後、解約合意書を締結したと説明した。また他の全店舗でも同様の事案がないかの事実確認を進めるとしている。
串カツ田中の発表内容
「当該行為は盗撮にあたる可能性が非常に高く、許しがたい行為であると判断しております。被害に遭われた当該店舗の従業員の皆様には多大なる精神的苦痛とご迷惑をお掛けしたことに深くお詫び申し上げます」としている。
確かに撮影された従業員は身内のように近い存在に「裏切られた感」の方が、「撮られた事実」よりでかいんだろうな。店主への信用はなくなるよ。
簡単に手に入る小型カメラ
実にさまざまな小型カメラが手軽に、しかも安く、ネットでも簡単に買えてしまう。しかも超小型の隠しカメラのようなものまで普通に売られている。
この類いのカメラは撮影者がその場にいなくても遠隔でWi-Fiなどで操作出来るものまであり、その他のデバイスに送られてしまえば簡単に録画もされてしまう。
個人情報も何もない。では監視カメラを避けることが出来るのか。
これってプライバシー侵害、それともセキュリティ？
盗撮の被害は増えている。身近なスマホにも高性能なカメラが搭載されている。今やどこでも気軽に設置、撮影が可能。でも気軽に設置しちゃダメだよね。
店側「スタッフ同士による盗難が頻繁に起きてるからセキュリティのため設置しよう」
スタッフ「黙って撮るのはプライバシー侵害」
店側「それなら撮影はしないけどカメラだけ付けておこう、抑止効果になるから」
こういう流れもあるだろう。でも結局撮影していないとわかれば、盗難は繰り返されるかもしれない。説明して撮影すればいいのだろうか。
韓国での防犯カメラ事情
同じように韓国でも防犯カメラの設置で騒がれている。
韓国の仁川スマートシティや、ソウル市芦原区では街中に監視カメラを設置している。その様子を役所の管制センターでモニターチェックして防犯に役立てているとのこと。
当初はプライバシーを問題視し苦情があったそうだが検挙実績があがり高齢者が転んでも分かるので安心につながっていることで市民評価はあがり、今では自宅近くにもつけて欲しいと言われるくらいで苦情はなくなったそう。
このような実績が評価されてプライバシー侵害より、セキュリティの優先順位が上位に来れば問題は少なくなるのかもしれない。
同じように英国でも防犯カメラで犯罪が減り、かなり進んでいるそう。
日本でもすでに警察で防犯カメラによる検挙が進んでいる
いまや街中の至る所に防犯カメラがセットされている。防犯カメラ映像による不鮮明なナンバーの解析や人物の特定が飛躍的に進んでいるそう。
渋谷ハロウィーン逮捕、決め手は防犯カメラ捜査
10月に渋谷でハロウィーンで集まった人混みで軽トラが横転させられた事件が記憶に新しい。当日約4万人の人手がいたにも関わらず関与したとされる男15人を警視庁が特定することができて多く報道された。決め手になったのは防犯カメラ捜査だったそう。
全国には500万台を超える防犯カメラが設置されているそう。また警視庁の捜査支援分析センターに映像解析の専門チームがあるらしい。この中の250台のカメラに映っている映像をつなぎ合わせ逮捕に至った。
確かに悪質は犯罪には有効的だし犯罪が減れば安心。これからオリンピックも控え、さらにセキュリティ強化を進めていきたいところ。
さいごに
セキュリティのために防犯カメラは必要。これは結論。ただ無断で撮影は良くない。
セキュリティのために必要なことはわかるがプライバシー侵害についても同時に議論が必要だ。法的な規制も必要になってくるだろう。
ただ誤認逮捕などの報道も増えてきている。防犯カメラに映っているだけで検挙して拘留するといった誤認逮捕についても問題視すべき。防犯カメラの精度は上がっているがそれを使いこなして、ジャッジする人間側の精度が上がっていない。
不正防止のため、監視する側を監視する人も必要かもしれない。誰がその監視する人を監視するのか？という課題もある。
今回は個室の撮影だから盗撮。ただ防犯について便利だからとそれだけの理由でカメラが増えていくのはちょっと警鐘が必要。日本の文化にうまくハマるとも思えない。
断ってきちんと法的な整備と対策が必要な時期にきている。
