11月1日、KDDIと楽天が通信、物流、決済に分野において提携することを発表した。
このニュース、結構大きいことじゃない?
楽天は2019年10月に「第4のキャリア」として携帯電話事業に参入する。
楽天は携帯電話事業に乗り込むために、全国的なネットワークに接続してくれるローミング先を探す必要があった。今回そのローミング先としてauが選ばれた。これで携帯業界の第二と第四キャリアが結ばれた。
両社にとっての思惑は。大手キャリア3社に向けられた料金への指導は今後変わる?これによって料金などへの影響は?どうなるんでしょうか。
参考記事
KDDIにとっても大きなメリットがあった
KDDI株式会社 沖縄セルラー電話株式会社 楽天株式会社 共同リリースより
1. 決済サービス分野における提携
楽天はクレジットカードや電子マネーをはじめ、さまざまな決済手段を提供しています。現在注目を集めているQRコード決済サービス分野でも、「楽天ペイ (アプリ決済)」において対応しており、国内利用者数No.1のサービスとなっています。
一方、KDDIも、発行枚数2,420万枚の「au WALLET」や「auかんたん決済」などのサービスを通じて決済領域の強化を進めており、2019年4月よりバーコードやQRコードを使った新たなスマホ決済サービス「au PAY」を開始いたします。
楽天は今後、「楽天ペイ (アプリ決済)」をはじめとした決済プラットフォームや加盟店網をKDDIへ提供します。これにより、KDDIは、楽天グループが直接契約している全国約120万箇所の加盟店等を活かしたスマホ決済サービス「au PAY」を2019年4月より順次開始します。両社は、各種決済サービスの相互利用を促進し、「キャッシュレス社会の実現」とお客さまの利便性向上を進めてまいります。
提携の内容は単にローミングサービスのことだけじゃなかった。
決済サービス全般は楽天の得意分野。このメリットを生かしてKDDI側も決済事業を加速することができる。
楽天ペイの加盟店も最近増えてきたがまだ始まったばかり。これにau PAYと一緒に進めば営業も加速するし加盟店もさらに増やせる可能性が出てくる。
楽天ペイが使えるお店
https://pay.rakuten.co.jp/shop/
物流も両社ともメリットがある
2. 物流サービス分野における提携
昨今、国内物流業界において不在再配達の増加や人手不足などが社会問題化し、EC店舗が安定的に店舗運営を行うことが困難になっています。こうした背景から、楽天は、「楽天市場」において商品の注文からお届けまでの仕組みを一気通貫で管理する包括的な物流サービス「ワンデリバリー」構想を掲げ、「楽天スーパーロジスティクス」や「Rakuten EXPRESS」をはじめとするさまざまな施策に取り組んでいます。
楽天は、KDDIが運営する総合ショッピングモール「Wowma! (ワウマ)」に対して、楽天の物流サービスを2019年4月より順次提供します。両社は、楽天が推進する「ワンデリバリー」構想を共に進めていくことで、物流業界における社会課題に対して、効率的な物流・配送サービスを実現し、国内EC市場の健全な持続的発展を目指します。
楽天もアマゾンに対抗し自社物流網の構築に取り掛かっている。
最近、西友とも提携しネットスーパーをその物流システムを開設したし、そういえばあったねというくらいの知名度のKDDIの「Wowma! (ワウマ)」でも自社楽天の物流にのせてくれることによって投資回収の促進も狙いだろう。
他社よりも4割以上安い料金プランを提示してくれるか?
3. 通信ネットワーク分野におけるローミング協定の締結
KDDIは、今後のサービス競争の促進に寄与することを目的に、楽天が2019年10月より開始予定の第4世代移動通信サービス (LTE通信サービス) に対して、通信ネットワークを提供するローミング協定を締結しました。これにより、楽天は、サービス開始当初より日本全国でLTE通信サービスの提供が可能となります。【ローミング予定エリア】
東京23区、大阪市、名古屋市を除く、全国エリア
これがメイン。でも楽天のローミングサービス獲得だけがメリットだけじゃないだろう。
結果、料金競争なども参入するわけだから負けないよう両社とも力をいれてくるはず。また業界に一隻が投じられるんではないか。
また国から料金について過去に何度も指導が出ている。菅官房長官は楽天に期待しているよう。
期待に応え、他社よりも4割以上安い料金プランを提示してくる可能性もある。あとは楽天の資金力、手腕によるだろう。
さいごに
楽天が単に助けてもらうかたちの提携かと思っていたけどそうじゃなかった。
お互いがきちんとメリットのあるかたちの提携。
これで通信、決済、物流という3つの分野で提携する。でもお金の流れで言えばもちろん一番はローミングにおける通信料金。その分、決済や物流といった分野でKDDIに楽天のお客さんになってもらうとバランスがいいという目論見だろう。
でもこういう提携の話って難しい。うまくいかないパターンも多い。
両社の思惑通りにことが進めばいいけど、いったん業績が悪くなったりすると単独判断できないしどちらかのせいにしたり・・。
例えば「この事業はうまくいかなかったらA社側が責任とりますね」みたいな責任分配も提携をする前にそのへんまで話し合って決まっていればいいかもしれない。
いずれにせよこれから決済や通信費で消費者にメリットになっていければうまく進んでいければいいですね。両社の今後を期待したいです!