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まるで長い映画のよう 樹木希林の心に響くエピソードや名言集

投稿日:2018-10-03 更新日:

まるで長い映画を観ているみたい。

樹木希林さんが亡くなった。

でも亡くなられてからもこれまで

エピソードもすごいし、クソ面白いし、人生感もすごく共感できるし、勉強になることばかり。(”きききりん”って芸名まであらためて考えてみたらすごいよね)

ただ有名人が亡くなったからって話題にする話を書くつもりはなかったんだけど

ここに来ていろいろ紹介したいことがわかってきたので書きます。

樹木希林の名言

ここまでいろいろエピソードが多い女優さんもいないよね、っていうくらい書ききれない。

心動かされた強烈なやつをいくつか紹介します。これ、文字だけ読んでても面白い。

2003年1月に網膜剥離で左目を失明した際、それまで治療をしなかった理由を聞かれて。

「今まで色々な物が見え過ぎた

片目、白内障で失明して、 世の中、見えすぎて、片目でちょうどいい」

2007年2月、乳がんの手術を行った後のコメント。

「嫌な話になったとしても、顔だけは笑うようにしているのよ。井戸のポンプでも、動かしていれば、そのうち水が出てくるでしょう。」

結婚なんてのは 若いうちにしなきゃダメなの。 物事の分別がついたら できないんだから。

みんなね離婚してね、次にいい人と出会ってるつもりでいるけど、似たようなもんなのね。ただ辛抱が効くようになっただけで

まあ、縁ですから。自分に合った人と出会うわけですから。それに、親がへたばって喜ぶ子供はいないでしょ。よく娘は「お母さんは他人だからいい、私は血が繋がってる」って。

やったことがほんのわずかだもの。やり残したことばっかりでしょう、きっと。一人の人間が生まれてから死ぬまでの間、本当にたわいもない人生だから、大仰には考えない

旦那さんの内田裕也さんについて

「生まれ変わることがあっても、出会わないように気をつけたい。」

「全部、好きです。すべて何もかも好きです。もし、来世というものがあって、生まれ変わることがあるのなら、また巡り合うことがないように。出会わないように、気をつけたいわね」

また出会ってしまったら・・すてきな言葉ですね。

仕事をするために人間やってるわけじゃないからね

世の中に対しての怒りじゃなく、自分に対しての不満とかそういうものがあって、自分を壊していくという必要があるかもね。だから役の努力っていうより、生きていくことの努力はあるかもしれないね

向かい合っているともめるから、向こうを向いて両方が同じ方向に向かっていく

なってるなってる、いいねえ、このシワが。私、こういうの好きなんだけど(自分の口の脇を持ち上げるようにしながら)みんなあんまり好きじゃないみたいね。のばそうとするけどさ、せっかくできたシワだからさ、もったいないんじゃない

ほんと自然。しかもどこかかっこいい。これだけ自然な生き方が出来るって強いから出来るのもあるし、うらやましい。

あと向き合わないけど、そっぽ向いてても同じ方向を目指している、みたいな言葉もすてき。

確かに他界した自分の祖父や祖母も、両親も一緒だった。

なんか一緒にいないのに付かず離れず。どっちなん?みたいなw

内田也哉子が母樹木希林に宛てた手紙(全文)

行われた告別式で内田也哉子さんの言葉です。

本日は足元の悪い中、大変お忙しい中、母・内田啓子の本葬儀にご参列いただきまして、誠にありがとうございます。

私にとって母を語るのに、父・内田裕也をなくして語れません。本来なら、このような場で語ることではないのかもしれないですが、思えば、内田家は数少ない互いへのメッセージ発信をいつも大勢の方々の承認のもとに行っていた“奇妙な家族”でした。

また生前母は、恥ずかしいことこそ、人前でさらけ出すというやっかいな性分だったので、皆様が困らない程度に少しお話させてください。

私が結婚するまでの19年間、うちは母と私の2人きりの家庭でした。

そこにまるで、象徴としてのみ君臨する父でしたが、何をするにも私達にとって大きな存在だったことは確かです。

幼かった私は不在の父の重すぎる存在に、押しつぶされそうになることもありました。

ところが困った私が、なぜこのような関係を続けるのかと母を問い詰めると、平然と、だってお父さんにはひとかけら、純なものがあるからと私を黙らせるのです。

自分の親とはいえ、人それぞれの選択があると、頭ではわかりつつも、やはり私の中では、永遠にわかりようもないミステリーでした。

ほんの数日前、母の書庫で探しものをしていると、小さなアルバムを見つけました。母の友人や、私が子供の頃に外国から送った手紙が丁寧にはられたページをめくると、ロンドンのホテルの色あせた便せんに目が止まりました。それは母がまだ悠木千帆と名乗っていた頃に、父から届いたエアメールです。

『今度は千帆と一緒に来たいです。結婚1周年は帰ってから二人きりで。蔵王とロサンゼルスというのも、世界中にあまりない記念日です。この1年、いろいろ迷惑をかけて反省しています。

裕也に経済力があれば、もっとトラブルも少なくなるでしょう。

俺の夢とギャンブルで高価な代償を払わせていることはよく自覚しています。突き詰めて考えると、自分自身の矛盾に大きくぶつかるのです。

ロックをビジネスとして考えなければならないときが来たのでしょうか。最近、ことわざが自分に当てはまるような気がしてならないのです。早くジレンマの回答が得られるように祈ってください。落ち着きと、ずるさの共存にならないようにも。

メシ、この野郎、てめぇ、でも、本当に心から愛しています。

1974年10月19日 ロンドンにて 裕也』

今まで想像すらしなかった、勝手だけれど、父から母への感謝と親密な思いが詰まった手紙に、私はしばし絶句してしまいました。

普段は手に負えない父の、混沌と、苦悩と、純粋さが妙に腑に落ち、母が誰にも見せることなく、大切に自分の本棚にしまってあったことに納得してしまいました。

そして、長年、心の何処かで許しがたかった父と母のあり方へのわだかまりがすーっと溶けていくのを感じたのです。

こんな単純なことで、長年かけて形成されたわだかまりが溶け出すはずがないと自分に呆れつつも、母が時折、自虐的に笑って言いました。

私が他所から内田家に嫁いで、本木さんにも内田家をついでもらって、みんなで一生懸命家を支えているけど、肝心の内田さんがいないのよねと。

でも、私が唯一親孝行できたとすれば、本木さんと結婚したことかもしれません。

時には本気で母の悪いところをダメ出しし、意を決して、暴れる父をなぐってくれ、そして、私以上に両親を面白がり、大切にしてくれました。

何でもあけすけな母とは対照的に、少し体裁のすぎる家長不在だった内田家に、静かにずしりと存在してくれる光景は未だにシュール過ぎて、少し感動的ですらあります。

けれども、絶妙なバランスが欠けてしまった今、新たな内田家の均衡を模索するときが来てしまいました。

怖気づいている私はいつか言われた母の言葉を必死で記憶から手繰り寄せます。

『おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい』

まだたくさんすべきことがありますが、ひとまず焦らず家族それぞれの日々を大切に歩めたらと願っております。

生前母は、密葬でお願いと、私に言っておりましたが、結果的に光林寺でこのように親しかった皆さんとお別れができたこと、またそれに際し、たくさんの方々のご協力をいただく中で、皆さまと母との唯一無二が交流が垣間見えたことは残されたものとして、大きな心の支えになります。

皆さま、お一人お一人からの生前の厚情に深く感謝しつつ、どうぞ、故人同様、お付き合いいただき、ご指導いただけますことをお願い申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

さいごに

両親が亡くなったとき、こんな内田也哉子のような素晴らしい言葉を僕は言えるだろうか。

実は、僕と内田也哉子はほぼ同年代で、内田たち両親の年齢も同じくらい。

しかも破天荒な父親と、それに愛想つかしながら苦労しているのに付かず離れずいまでも一緒に暮らしている母。

あまりにも自分にオーバーラップして僕なんか未だにわだかまりだらけ。こんなに向き合えるだろうか。少しわだかまりとミステリーが解けてよかったねと思ったのと、こんな時がくるのだろうかと、なんとも言えないふくざつな気持ちだった。

これだけの凄まじい人生、エピソードを残して来た樹木希林。でもそれはそれであまりいままで無関心だっただけに共感してしまった。

『おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい』

これもすばらしい言葉。

ここ数日の情報を見ていてほんと長い映画を観ているよう。

敬意を表したいのととともに彼女の残してきた言葉もこれからの自分の人生にいかしていきたいと思った。



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